医師でもできる相続税評価額を減らす方法を4つ紹介

節税
O先生
O先生

親の相続で苦労した経験から、子供たちには負担をかけたくないと考えています。そこで、今からできる準備策はあるでしょうか?

まずは、ご自身が相続対象となる財産を把握することが重要です。 そのためには、自分名義の財産をリストアップしてみましょう。ただし、預金や貯蓄だけでなく、保険金、不動産、株式など、全ての財産を含めてリストアップしてください。 そして、把握した財産の規模に応じて、相続税対策の必要性を判断することが重要です。

  • ご本人 54歳
  • 内科勤務医
  • 奥様 51歳(専業主婦)
  • お子様(18歳、14歳)
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相続税対策で最初にすべきことは?

相続する財産の総額が1億円未満

相続資産には基礎控除があります。この基礎控除は、3000万円に加えて法定相続人の人数に応じて600万円ずつ増えます。ですから、相続資産がこの範囲内に収まる方であれば、比較的リスクの低い生前贈与や生命保険などの手法を用いるだけで、相続税がほとんどかからない状態にできます。

ただし、相続資産のボリュームと相続で揉めるか否かは別問題です。配偶者やご子息が揉めることのないよう、どの資産を誰に遺すのかを公平に判断しましょう。そして、もし認知症などによって自分の意思を口で伝えることができなくなってしまった場合でも大丈夫なよう、対策を進める必要があります。

相続する財産の総額が1億円~3億円

配偶者が相続する遺産は、通常、1.6億円か、配偶者の法定相続分までの高い方が非課税となります。そのため、一次相続よりも二次相続に備える必要があります。

二次相続とは、相続人である配偶者が亡くなった場合に発生する相続のことです。二次相続は配偶者控除がないため、一次相続で相続税がゼロだった場合でも、多額の相続税がかかることがあります。

したがって、このような場合には、一次相続だけでなく二次相続も考慮した相続税対策を行うことが重要です。

相続する財産の総額が3億円超の場合

この場合、多額の相続税が発生する可能性があるため、まずは支払いに必要な資金があるかどうかを確認しましょう。

もし、持っている資産の大半が不動産など即時に現金化が難しいものであれば、生命保険などを利用して納税資金を用意することをお勧めします。特に、都心部で地価の高い住宅を所有している場合、相続税評価額が予想以上に高額になる可能性があるため、注意が必要です。

相続税評価額を少なくする4つの方法

①生前贈与をする

O先生の場合、相続税精算課税制度によって2500万円までの贈与税が無税になりますが、まずはお子様の学資の目処が付いた後に暦年贈与を開始することをお勧めします。

暦年贈与は、1年につき1人あたり110万円までならば贈与税がかからないため、お子様2人にそれぞれ110万円を贈与することで、贈与税を支払うことなく相続財産を220万円減らすことができます。 ただし、毎年同じ時期に同じ金額を贈与すると定期贈与と見なされ、トータルの額に課税される場合もあります。したがって、毎年タイミングや金額を変えて、時には少額の贈与税を支払いつつ、行うことが望ましいでしょう。

また、死亡前3年以内に相続人に対して行った贈与に関しては、相続財産に加算され、相続税が課されます。したがって、O先生の生活に影響のない範囲で、早めに対策を打っておくことが大切です。

②生命保険を活用する

生命保険には、法定相続人の数に応じて非課税枠があります。S様の場合、3人なので1,500万円までが非課税となります。 遺産分割協議がまだ行われていなくても、死亡保険金は受取人だけで手続きが可能であり、万が一相続放棄をした場合でも受け取ることができます。遺留分の対象にもならないため、他の相続人よりも多くの資産を受け取りたい人がいる場合は、その人を受取人として生命保険に加入するのも有効な方法です。

③不動産を活用する

相続財産が1億円を超える場合、財産を全て現金で持っていた場合と、一部を相続税評価額が低い不動産などで持っていた場合とでは、課税される相続税に大きな違いが出てきます。 たとえば、小規模宅地の特例が適用される不動産を所有している場合、最大で評価額の80%が減額され、相続税評価額を大幅に削減することができます。

④一般法人を活用する

大量の資産を所有している方や、ある相続人に大部分を譲りたいと考える方は、一般法人(株式会社や合同会社)を活用することも検討するべきです。 特に、株式会社では、生前贈与を行うという手法が有効です。法人が資産を保有していない場合、評価額が小さくなるため、短期間で生前贈与を完了することも可能です。

さらに、医療法人とは異なり、医師免許を持っていなくても代表者になることができるため、お子様が医療の分野に進まない可能性が高い開業医からも支持される手法です。

相続税の対策は、手を早めに打てば打つほど効果的です。 まずは、自分自身の資産規模を正確に把握し、どの程度の相続税対策が必要かを知ることが大切です。

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