マイナンバーカードの実質義務化。2024年秋に現行保険証の廃止。

2022/11/04

この記事を書いた人:山下 晃司

これまで全国500人以上の勤務医、個人開業院長、医療法人理事長を中心に、医科歯科問わずDrの人生設計をサポートし、キャリアや経営形態、規模、年代、家族構成や地域性など、集積したデータをもとに主に自身の理想のビジョンと真の豊かさの追求を目的としたライフプランの設計監理を行う。
会計士やFP、金融機関や経営のコンサルタントとプロジェクトチームを組み、理想のライフプランの実現のプロデュース実務を得意とする。

こんにちは。ディーズライフイノベーションのチーフコンサルタントの山下晃司です。
既に各種ニュースや医師会などからの共有があり、ご存知の方も多いとは思いますが、2024年秋に現行の保険証が廃止されることが閣議決定されています。
6月には閣議決定されていましたが、10月13日の河野太郎デジタル相の会見により話題に火が付くこととなりました。
否定的な意見が目立ちますが賛否両論あり、多分に政治的主張を含んだ論争を生んでいます。ここでは政治的な主張は避けて、背景や事実を再確認していきましょう。
以下、2022年6月7日に公表された閣議決定内容『デジタル社会の形成に関する重点計画・情報システム整備計画・官民データ活用推 進基本計画の変更について』から引用。
”オンライン資格確認について、保険医療機関・薬局に、令和5年(2023 年)4月から導入を原則として義務付けるとともに、導入が進み、患者によるマイナンバーカードの保険証利用が進むよう、関連する支援等の措置を見直す。令和6年度(2024 年度)中を目途に保険者による保険証発行の選択制の導入を目指し、さらにオンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す。”
医療機関側の対応であるオンライン資格確認は「原則として義務付ける」と明記されているように、決定されていることです。
保険証の廃止に関しては、「オンライン資格確認の導入状況等を踏まえ、保険証の原則廃止を目指す」とのこと。つまり、決定されておらず、状況によっては時期を見送ることもあり得ることが読み取れます。
日本健康会議「健康づくりに取り組む5つの実行宣言2025」2022年達成状況報告によると、マイナンバーカードの読取機を導入した医療機関・薬局は6万4965施設で、目標の20万施設の32.5%にとどまっています。来年の4月に原則廃止としているので、これは遅れを取っていると言わざるを得ない状況でしょう。
原則義務化が加えられた「療養担当規則(省令)」に違反すると、保険医療機関等の指定取消事由となり、期日までに運用開始しなければ、医院として立ち行かなくなる危険性もあります。閣議決定がなされた以上、よほどのことがない限り政府はこの動きを止めることはありません。早め早めの対応で、リスクを回避していきましょう。
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オンライン資格確認・医療情報化支援基金関係
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