勤務医だからこそ有効な税金の対策って何? 専門家がステップ別に解説します。

2021/12/10

この記事を書いた人:山下 晃司

これまで全国500人以上の勤務医、個人開業院長、医療法人理事長を中心に、医科歯科問わずDrの人生設計をサポートし、キャリアや経営形態、規模、年代、家族構成や地域性など、集積したデータをもとに主に自身の理想のビジョンと真の豊かさの追求を目的としたライフプランの設計監理を行う。
会計士やFP、金融機関や経営のコンサルタントとプロジェクトチームを組み、理想のライフプランの実現のプロデュース実務を得意とする。

 

こんにちは。ディーズライフイノベーションのチーフコンサルタントの山下晃司です。

このコラムでは、医師の方が人生設計や資産運用において考えられる時に悩む様々な疑問について私の経験や知識で解決のサポートにお応えしていきたいと思っています。

 

最初に少しだけ自己紹介しますと、

私はこれまで10年間の医師向けコンサルティングを行う中で、全国500人以上の勤務医、個人開業院長、医療法人理事長に向けて、人生設計をサポートし、キャリアや経営形態、規模、年代、家族構成や地域性など、集積したデータや専門知識、スキームなどを用いて、皆様の理想のビジョンと真の豊かさの追求を目的としたライフプランの設計監理を行ってきました。 コンサルティングの形態は欧米の富裕層向けにプライベートバンクが行っている「ファミリーオフィス」というコンサルティングサービスを日本の医師向けにアレンジした形で提供しています。主には会計士やFP、金融機関や経営のコンサルタントとプロジェクトチームを組み、理想のライフプランの実現のプロデュース実務提供しており、得意としてます。その専門家たちと提供して得た知識やスキームをこちらのコラムではお伝えしていきます。

 

今回は、私によく頂く相談の中から多く寄せられる勤務医の方の節税の考え方についてステップ別に内容をお伝えします。

勤務医の方は激務で得た所得が2000万円以上になれば50%以上は税金で徴収されます。

しかも、源泉徴収なので経費も出せず、強制的に給与から差し引かれていきます。

これでは勤務時間の半分は税金のために働いてるようなものだとおっしゃる先生が多数いるのもうなずけます。

 

だから勤務医の方からの弊社への相談の半数は税金に関するご相談なのです。

しかしまず最初にお伝えしたいのは、節税の目的をしっかりと持つことです。

手取りの所得を増やしたいのか、増やした所の使い道は何なのか、どれくらいの規模が希望なのか、などなど目的と必要性をしっかりと持ったうえでの節税対策の検討を最初にお勧めしています。なぜなら闇雲に節税が出来るからと言って取り入れた手段が自分に合わなかったり、思い通りの節税にならなかったり、極端に言うと業者の甘い話に騙されたということにもなり兼ねないからです。

まずはしっかりと目的と節税の仕組みを理解した上で対策を講じていきましょう。

ステップ1 所得税控除を網羅する

◎~100万円 節税可能

 

所得から一定額控除するということは、つまりその分の所得は無かったものとみなして税金が計算されるので、所得税が安くなる仕組みです。

 

生命保険料控除、医療費控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除など14種類の所得控除があります。それらは比較的低リスクで行えるものが多いので、まずはそれらをフル活用することで100万円の節税を目指しましょう。

 

所得控除の種類概要
小規模企業共済等掛金控除厚生年金にご加入中の勤務医の方の場合、個人型確定拠出年金(iDeCo)をされている 方が多いですが、その掛け金がこの控除の対象となり、全額所得控除の恩恵を受けな がら退職金や年金の準備ができます。
生命保険料控除「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つの区 分で各4万円までの控除が受けられます。所得控除になるからと言って、保険を追加 するのは本末転倒です。保険を見直しは必要保障額を算出した上で計画的に行いましょう。
医療費控除もし、年間の医療費(同一生計の家族全員の医療費合計)が10万円(厳密には所得 200万円以下の方は所得の5%以上)を超えている場合この制度が活用できます。 2017年より「セルフメディケーション税制」がスタートし、スイッチOTC医薬品の 購入額1.2万円以上で申請可能です。ただし両制度の併用はできません。
寄付金控除近年利用者の増えているふるさと納税もこの1つで、特定寄附金の額の合計額-20 00円が控除対象になります。返礼品がもらえたりとお得に感じる制度ですが、実際 に寄付という形の支出を伴うため、手残りを増やす効果は期待できません。
配偶者控除平成30年分以後は、控除を受ける納税者本人の合計所得金額が1000万円を超える場 合は、配偶者控除を受けることができなくなりました。
基礎控除令和2年分より、それまで一律38万円だった基礎控除額が、合計所得金額2400万円 以下は48万円、2400万円超2450万円以下は32万円、2450万円超2500万円以下は 16万円、2500万円超は0に変更となりました。

ステップ2 経費を入れる

◎~300万円まで節税可能

 

勤務医のままでは節税が難しいと言われる理由の一つに、経費枠が無いことが挙げられますが、勤務医のままでも経費を出せるようにすることは可能です。

 

その方法は主に2つ。給与所得との損益通算(他の所得と合算で計算すること。黒字の所得と赤字の所得も合算できる)が認められる「不動産所得」または「事業所得」を得る仕組みを作ることです。

 

「不動産所得」は賃貸用不動産を所有して所得を得ている場合、「事業所得」は継続性のあるビジネスを持っている場合に発生し、その利益を生み出すために必要となった経費を計上することが認められています。

 

ちなみに雑所得ではなく事業所得と認めてもらうためには「社会通念上事業といえる程度の規模や態様」必要とされていますが、その基準は売上がいくら以上になっているといった明確なものではなく、その事業に「継続性」「繰り返し」「独立」があるか否かだと言われています。こういう経費算入できる事業を副業として取り入れることで、自身の経費算入の枠を作り、医師としての給与所得と合算することで300万円位までの実質節税効果を出すことも可能です。しかし実際には不動産も事業もビジネスとして行うわけですから、無計画に始めることはお勧めしません。しっかりと事業計画やシミュレーションをしてから、着手されることが肝心です。

 

 不動産所得事業所得
活用例・アパート経営

・マンション経営(区分・一棟)

・駐車場経営

・医院関連不動産の賃貸業
・リース業(太陽光、コンテナ、足場、医療機器 など)

・執筆業

・講演業
メリット・借り入れができる場合が多い

・1部屋のみ保有している場合でも経費計 上は可能

・江戸時代からある手法のため、根本から この仕組みが使えなくなる可能性は低い

・事業的規模に達すれば、青色申告特別控 除や専従者給与の支払いが認められる
・コンテナや足場など償却期間の短い減価償却資 産を活用することで、短期的に大きな節税効果が 期待できる

・もともと医業以外の収入のある人には有利(た だし副業レベルでは事業と認められない場合も)

・青色申告が認められば、最大65万円の青色申告 特別控除を受けることができる
デメリット・一般的に、不動産の耐用年数は木造22年、 RC造47年などと⾧く、定額法で減価償却 費を計上するため、賃貸用不動産を所有す るだけで大きく節税することは難しい。

・青色申告特別控除を受けるには5棟10室 の事業的規模が必要
・雑所得とみなされた場合は損益通算ができない

・新しい節税スキームが多いため、税制改正で全 く節税効果がなくなってしまう場合がある(近年 では、海外不動産を活用したスキームにメスが 入った)

・税理士等の賛同を得られないケースも多いので、 税務顧問がいる場合は、事前確認が必須 ・経営者への給与は経費にならない

ステップ3 一般法人の設立を検討する

◎~1000万円節税可能

 

ステップ2まで実践して、さらなる対応を講じたい方、もしくはステップ2で個人事業が軌道に乗ってきた方は、ステップ3に移ってさらなる節税を目指しましょう。

 

自身で法人を所有することは、もう一人所得の枠を作ることと同じ効果があります。

 

法人では個人よりも税金の優遇措置が多いため、同じ経費や売上でも税金の面では安くなることも多いです。ただし、一般法人には一定のイニシャルやランニングのコストが掛かってきますし、節税のみを目的とした法人を成り立たせるのは容易ではありません。

 

この手法には各種の専門家のサポートも必要です。税理士や経営面をサポートするブレーンも持つことをお勧めします。以下には法人のメリット・デメリットも表示しますので、ご覧ください。

 

会社を作るメリット備考
家族への役員報酬の支払い個人事業の専従者に当たらなかった人への給与支払いやその金額 の上げることも可能になります。
自身や家族の保障構築個人で加入していた保険を法人に移管することで、個人の財布か ら支払う保険料が減り、個人の所得控除の上限である12万円を超 えて、法人で損金算入することが可能になり節税効果を生みます。
自身や家族の退職金積立以前より法人保険の節税効果は少なくなりましたが、法人保険を 活用して、公的年金や病院からの退職金では足りない部分を一部 損金算入しながら積み立てることが可能になります。
社会保険への加入特に、役員報酬によっては、社会保険に加入することで大幅に保 険料が安くなる場合があります。
その他・社宅や出張手当など制度も導入可能

・個人事業よりも信用力が上がるため、融資審査で有利に

・iDeCoから企業型確定拠出年金に変更することで積立上限が月 55000円になり、 小規模企業共済や倒産防止共済に加入できる場合も

・特に株式会社は事業継承が容易になり相続税対策でも有利に
会社を作るデメリット備考
初期費用がかかる設立費用が安いと言われる合同会社でも、数十万円程度の 初期費用を想定されておかれた方が良いでしょう。 税務顧問契約を付帯することを前提に、無料に近い金額で サポートを行っている税理士等も存在します。
運営費用がかかる個人事業であれば、自身で確定申告を行うことも可能です が、法人の場合は個人で行うことは難しく、税務顧問料が かかってきます。顧問料は法人の規模にもよりますが、安 くても年間数万円の費用が発生します。そして、法人の場 合、赤字であっても法人住民税(約7万円)の支払いも必 須です。
経理業務が複雑になる税理士への依頼が必須となり、その顧問料も個人事業より 高くなることが一般的です。
社会保険への強制加入個人事業では任意加入の社会保険への加入が必須に。 社会保険料は給与額面の約30%(個人と法人で折半)と安 くはないため、役員報酬額を決める際には、社会保険料の 負担も考慮して決める必要があります。

 

以上勤務医の方の節税を3ステップに分けてご紹介してきました。

 

どの手法も上手に活用すれば継続的な節税をすることができ、手取り収入を増やすことで、他の支出に振り向けたり、貯蓄や投資をすることで更なる資産構築に取り組むことも可能になります。しかし、乱用したり、無計画に取り組んで失敗すると大きいしっぺ返しを食らうことにもなりかねません。

 

検討したいという方は、自分にはどの手法が可能で向いているのか、継続的な運用は出来るのか、その際のリスクは何か、など多角的に考えることが節税の第1歩です。そして最初に申し上げたとおり節税の目的を持つことが一番大事です。まずはそこから始めて下さい。

 

ディーズライフイノベーションでは節税診断や簡易な無料面談などで皆様の節税プランのサポートをしております。お気軽にホームページからお問い合わせください。

 

D‘ Life Innovationでは、ドクターに特化した専門家集団が医業以外(経営・相続・税金・事業継承・法人設立・転職など)の課題解決型コンサルティングを行っており、勤務の方の節税でお困りの方からのご相談も数多くお受けしております。

無料相談やWEBセミナーを開催しておりますので、セカンドオピニオンが欲しい、解決したい課題をお持ちの方は、お気軽にご相談ください。

 

 

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