節税しにくいと言われる勤務医でもできる3つの節税方法

節税
T先生
T先生

勤務医はあまり節税ができないと聞いたのですが、少しでも税金を安くする方法を教えてください。

  • ご年齢:33歳
  • 診療科、キャリア:小児科(勤務医)
  • 年収:約1200万円
  • ご家族:配偶者35歳(一般会社員)

高所得者の方は、節税に利用可能な公的制度を見逃すと非常にもったいないことになります。

公的制度以外に手軽な手法がないという理由もありますが、累進課税により高い税率がかけられている方は、それだけ節税効果も大きくなります

特にiDeCoふるさと納税などは、所得が高い人の方が圧倒的にそのメリットが大きくなります。まずは、まだ利用していない公的制度を利用することをお勧めします。

限られた節税手段だからこそ、しっかりと抑えておきましょう!

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方法① iDeCo(個人型確定拠出年金)を活用

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、厚生労働省の指針に従って、金融機関が厳選した数十個の投資商品(投資信託など)のうち、任意のものに毎月定額で投資するという形で年金を積み立てることができます。

大きな特徴としては以下の通りになります。

① 投資した金額は、所得税と住民税計算時の課税所得から全額控除
② 運用益は非課税
③ 60歳で雑所得として最大20年に分割して受け取るか、退職金所得として一括で受け取るか、それらを併用して受け取るかを選択可能 (※どちらにせよ税制上有利)

iDeCoに関してはこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

方法② ふるさと納税を活用

自治体への寄附金額のうち2,000円を超える部分について、所得税の還付と住民税の控除を受けることができる制度です。収入や家族構成によって上限額が異なりますが、例えば10万円の寄付を行なった場合、所得税の還付と住民税の控除を合計98,000円分受けることができ、寄付金に応じた返礼品を受け取ることができます。

また、ふるさと納税は認可されたショッピングサイト上で「返礼品を購入する」という形を取ることが通常ですが、そのショッピングサイト上では10万円の買い物をしたことになるので、大量のポイントが付与されるケースがあります。(楽天市場など)

T先生
T先生

ポイント2,000円分以上もらえたので、実質無料で食料品を購入することができました

方法③ 有利な「枠」で受け取る

同じ金額の所得を受け取ったとしても、かかってくる税金が異なることがあります。例えば、退職所得は、通常の給与所得よりも有利に受け取ることが可能です。

具体的に、退職所得を考えてみましょう。退職所得は、以下の計算式で求められます。

退職所得=(退職金-退職所得控除)×1/2
退職所得控除:40万円×勤続年数
※勤続年数が20年超の場合、800万円+70万円 ×(勤続年数-20年)

退職金が2000万円で、勤続年数が15年の場合、
(2000万円 -(40万円×15年))×1/2=700万円 が退職所得として計上されます。

ちなみに給与所得の場合だと、
給与所得=給与ー給与所得控除
給与所得控除:給与が850万円以上の場合は一律195万円

ですので、2000万円の給与収入を得たときは、
2000万円-195万円=1805万円 が給与所得として計上されます。

※ここから更に所得控除を引いたり、税率を掛けることで所得税額が決定されるのですが今回は省略します。

給与所得の計算式と比較すると、退職所得の計算式には「×1/2」が最後についています。そのため、本来、給与として受け取っていたものを退職金として受け取ることで、繰り延べた部分にかかる税金を半分以下に圧縮することができます。

特に、個人経営のクリニックで働く人々の場合、退職金制度が整っていない場合が多いようです。しかし、小さなクリニックであるため、柔軟な対応が期待できるケースもあります。

勤務先の協力によって選択肢が増えることもありますので、一度ご勤務先に相談してみることをお勧めします。その際、勤務先への説明が難しければ税理士などの専門家をはさんで交渉してみると良いでしょう。

Tips 別の事業を行う

これは勤務医というご本業の節税にはなりませんが、参考になる方もいらっしゃると思うので記載します。

ご存知の通り、医師は医業収入を一般法人で受け取ることはできません。個人事業やマイクロ法人を立てて所得分散を行い節税するという方法は、医業ではできないのです。

逆に言えば、医業以外の事業を行えば所得分散は可能です。

T先生
T先生

医業だけで忙しいのに、別の事業なんて難しいですよ。。

ではここで、今の勤務医としての収入から、さらに100万円の手取りを増やすことを考えてみましょう。

T先生は年収が1200万円ですから、所得税や住民税などを考慮すると、ざっくり半分は税金で取られてしまいます。そのため、100万円の手取りを増やそうと思うと、200万円分の仕事をしなければなりません

しかし、個人事業やマイクロ法人を設立して、他の事業で手取りを増やそうとするとどうでしょうか。

個人事業では青色申告特別控除という税制があり、e-taxを利用すれば課税所得に対して65万円の控除を受けることができます。

さらに勤務医では経費にできなかった、家賃や光熱費を家事按分した金額も経費にできるので、合計すると100万円分くらいは課税所得0円で事業を行うことができるでしょう。

つまり、100万円の手取りを増やすために100万円分の仕事をすればいい、ということです。

医業で200万円分の仕事をするのと他の事業で100万円分の仕事をするのと、どちらが楽かは人によりますのでぜひ考えてみてください。

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